ダイコンじゃあるまいし




ダイコンとかけて、木工と説く。

そのココロは……
「どちらも“面取り”」します。

“ととのいました”ところで……
今回は「面取り」について、考えてみたいと思う。



まず、ご存知かと思いますが。
ダイコンの面取り。



ちなみに、わたしがやりました。
カワハラカズキ、元料理人(のはしくれ)でした。

料理における「面取り」は、
食材が煮くずれしないよう、
カドを包丁で落とすテクニック、ひと手間のことです。




いっぽう、木の面取りは?

こんな感じ。


たいていは、トリマー(写真)やルーターなどの、
電動工具を使ってやります。


カドに大きくアールがついてるわけです。



なぜ、面取りをするのか?

まず。
木が、欠けないようになる。

それから。
触れたとき、痛くない。

そして。
見た目が、やわらかい印象になる。

場合によっては。
仕上がりのマズさを、ごまかせる。

そんなところだ。


木工において、面取りというのは、
かように、便利なテクニック、といえる。

ただ。
なんでもかんでも、面取りすればいいってものでもない。



以前のこと。
webで調べものをしていたら。
有名な木工家さんが、

「ダイコンじゃあるまいし」と言っていた。

つまり。

 ダイコンじゃあるまいし、
 木で作ったものに、なんでもかんでも、
 面取りをするのは、いかがなものか?

ということなのだ。

その出典元、記事を探しているのだが、
いま探しても、見つからない。

どなたか、ご存知でしたら、
ご連絡いただけるとうれしいです。



こっから、結びに入っていきます。


当工房、スクエアクラフトの業務用450gバターケース、
pattie(パティ)450は、その面取りをしていません。


厳密にいえば、軽く面取りしています。
「糸面」といいまして、
部分によっては、カドを少し削っています。
が。

基本的には、大きく面取りはしていません。

にもかかわらず、
「パティ」のシェイプからは、
やわらかい印象をも受けます。


面取りしないのに、ラウンドで、やさしいフォルム。

そこを目指してデザインされたのが、
pattie450、なのです。


12/08/20 recorder-007


【追記】

ダイコンの桂むきもしてみました。

  

夏大根は、むきにくい。
というのは、言い訳ですか…?

むかしのようにはできなくて。
おぼつかない感じですが……。

スキルというのは、
時を経ても、忘れないものです。


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