松本は「あがたの森公園」で5月下旬に開かれる「クラフトフェアまつもと」は、日本でもっともステータスの高いクラフトイベントとして知られている。


クラフトフェアのブースの裏で


「クラフトフェアまつもと」へは、かならず足を運んでいる。

毎年、テーマを決めて見ている。
「ディスプレイのしかた」とか、「お客さんが手に取ったものだけ見る」とか、
「ブースの準備をどうやっているのか」とか、
近年は、目的を決めて、クラフトフェアを見ている。
(このページのおわりに、まつもとクラフトに関する工房内リンクあります)

さて、ことしは。

ことしは、出展されている作品は、あまり見なかった。

もちろん、会場は何周もした。
木の作品は、ひととおりチェックした。
けど、陶器や、ガラスなど、ほかのジャンル作品は、ほとんど見なかった。


なにをしてたのか?

訪れる人、クラフトをみて回る人を見ていたのだ。
クラフトは見ずに、"クラフトをみている人" だけ、見てた。
作家さんのブースの裏にたたずんで、そして、小高くなった土手の上に立って、
人の流れを、姿を、表情を見ていた。


表情は、おしなべて楽しそう。もちろん、楽しくなきゃ来ない、か。

人の流れ。
人気のありそうなところには人はいる。たしかに、いる。

しかし、案外、滞在時間は少ない。
3分以上も同じブースにいる人って、多くはない。だいたい20秒から1分ぐらい。


作家やその作品のプレゼンテーションの場として考えれば、
効果があるとも言えるし、ないとも言える時間だ。


ためしに。
スクエアクラフトのサイトと比較してみる。

もっともアクセスのあるページ
【木のバターケース「バターのため 使う人のために」コンセプト】
の平均滞在時間は、過去1ヶ月で、2分02秒だ。
これは、かなり長い。

注釈を。
ページにやってきて『あ、違う…』と思って、すぐ戻ってしまう、
滞在時間 “0秒” の人を含めて、専門的いえば “直帰” を含めて、
バターケースのコンセプトページの平均滞在時間が、2分02秒。

webにくわしい人が聞けば、
ひとつの商品のプレゼンテーション・ページとしては、
「長いですね」と言ってくれるかもしれない。

その直帰を除いて、読んでみようと決めた場合の、
このページの滞在時間は、3分から8分ぐらいとなっている。
なかには、20分とか40分になることもある。ほんと、ありがたい話だ。
一日の自由時間が限られてるのに、こんなに見てくれて、嬉しいかぎり。

ちなみに、
サイトに入って、いろんなページをみていただき、
そして出ていくまでの時間を「サイトの滞在時間」というが、
その「サイトの “平均” 滞在時間は、過去1ヶ月で1分38秒となっている。
これも『あ、違った…』の “直帰で0秒” の人を含めての数字だ。


クラフトフェアに、話を戻して。

作家の登竜門である。
インテリアや雑貨のショップさん、業者さんがやってきて、
「あなたの作品を取り扱いたい」と、声をかけられることもあるらしい。

「クラフトフェアまつもと」にもなると、競争率が高く、
常連ではない作家が選考に残るのは難しいので、
セレクトされるのは名誉なことだ。知り合いに自慢できるし、親孝行にもなる。


ことしのフェアの会場で、技術専門校時代の同期と話をした。
彼は、ある木工作家のブースの手伝いをしていた。
話によると「クラフトフェアで売るための商品」を用意しているそうだ。
その作家さんは常連さんで、ノウハウを蓄積しているはずなので、
やりかたを心得ているのだろう。
その作家さんは、家具作家として知られているが、
フェアで売れていたのは、木の食器関係だった。

That's the way it is.

ネイティブ・スピーカーが、よく使う慣用句だ。
話を締めくくるとき、わずかに微笑んで言ったりする。

どういうシチュエーションで使うかは……まあ、さまざまではある。


11/06/02 edaha-004

●「クラフトフェアまつもと」に関する工房内リンクです
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[日記アーカイブス] 2008/05/30 あがたの森で思ったこと ≫

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