冬の安曇野には、白鳥がやってくる。
シベリアから、海を渡ってやってくる。
シベリアは寒いから、やってくる。
安曇野だって寒いところだと思うのだが……やってくる。
もっと南に行ったら、もっと暖かいのにね。
それはともかく。
白鳥って、けっこう大きい。
飛んでいるさま。遠くから見ても、大きいとわかる。
体長が約1.5メートル、
翼を広げると約2.5メートルあるそうだ。
単純比較だが、サイズ的には、人間が飛んでいるのと同じだ?
朝の安曇野では、
白鳥が飛んでいるのをしばしば見かける。
群れをなしての空の散歩。
ななめに整列して、凍れる空をゆったりと。
群舞。優雅な群舞。
なるほど、バレエ「白鳥の湖」が作られた背景も、
わかる気がする。
さて。いよいよ春近し。
白鳥はシベリアに帰っていく。
安曇野市によると、
今年は2月20日から「北帰行がはじまった」そうだ。
北帰行か。
白鳥に人格を感じるのは、
どうやら、私だけではないらしい。
■ 2010/03/12 ■
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Illustration:Motoko Umeda
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