ここ、松本では、
晩秋から初冬の朝に、
しばしば霧が立ちこめる。
街も通りも田園も、まっ白の世界。
日によっては、信号が赤か青か、区別がつかないほどだ。
松本は盆地で、しかも高地だから、
朝方、気温が急激に下がる。
空気中の水分が一気に飽和点に達する。
で、霧が発生するわけ。
先刻申し上げたが、松本は高地にある。
標高、592メートル。
といってもピンとこないですか?
ちなみに。
東京の高尾山が599メートル。
大阪・奈良の境にある生駒山が642メートル。
ほぼ同じ標高に、
人口22万人の都市、松本はあるわけだ。
松本で行われたスケート競技会のニュースで。
「このリンクは記録が伸びます」と、選手が言っていた。
高地なので、空気抵抗が少なくなり、
速く滑れるそうだ。
なるほど。
どうりで、松本はクルマのスピードが……
……はなしを霧に戻して。
霧がでた日は、たいてい天気がよろしい。
霧が晴れ、光がさし、
青空と山々が見えてくる。
この上ないすがすがしさが、たまらなく好きだ。
■ 2009/12/14 ■
archives
Illustration:Motoko Umeda
|