作家の村上春樹氏が
「イスラエル文学賞」を受賞した。
イスラエルといえば、パレスチナ紛争に揺れる、
その当事国である。
…と。え〜と、ですね。
今回の日記を書くにあたって、前置き。
氏が、賞を受けたこと、
授賞式に出席したことについて、
そして、それについて賛否両論があること、
あるいは、パレスチナ紛争そのものについて、
述べるつもりはありません。
授賞式でのスピーチを読んで、
今回のキーワードを思いついたので。
以下、村上氏のスピーチを
一部引用させていただきます。
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「システム」がわれわれを食いモノにすることを許してはいけない
「システム」の自己増殖を許してはいけない
「システム」が私たちをつくったのではない
わたしたちが「システム」をつくったのです
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なるほど、システム、システマチック。
効率のいい仕事に機械、製品。
そして、何ごとにもダンドリのされた社会生活ってトコですか。
クラフト、木の仕事をやっていると、
“効率”と“ダンドリ”が、いつもつきまとう。
これを無視すれば、稼げない、生きていけないからだ。
だから、 どうすれば効率が上がるか、考えている。
そしていつも、ダンドリ良くやっていく。
すくなくとも、そうなるよう、心がけている。
加工の順番を考えたり、
治具(ジグ)を作ったり、
構成する部材をまとめて作ったり。
けっこう好きです。
ダンドリや効率を考えること。
うまくいくと、キモチイイんで。
でも、でもですね。
そのダンドリというものを追求していくと、
それは進化し、発展していき、
やがて「システム」というカタチになっていく。
さて、そのシステムによってつくられ、
システムの香りがするものが、
クラフトとして受け入れられるのか?
システムを否定するつもりはない。
個人的志向からいえば、
先ほど述べたとおり、ダンドリ好き、
効率と能率を重んじるタイプなので、
好きなほうに属していると思う。
それに、システマチックなものだって、好きだ。
「うわぁ、iPodってベンリだな〜♪」 なんてね。
まあ、それはともかく。
クラフトマンは、いつも、
この命題、つまり、
「システムをどこまで受け入れるか?」という
見えないけど大きな“壁”にぶち当たっている。
そう。壁といえば、村上春樹氏の授賞式のスピーチのなかで……
……もう、やめにします……。
■ 2009/03/01 ■
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Illustration:Motoko Umeda
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