クラフト権兵衛
トンネル行脚











この前の週末は、クルマで南信州へ。

午前中は駒ヶ根で「くらふてぃあ杜の市」を。
そして、午後は木曽で「木曽漆器祭」を。
一日で見て回りました。

この2つのイベント、
以前は、両方を一日でみるのはきびしかった。
なぜなら、駒ヶ根と木曽のあいだには、
中央アルプスこと、木曽山脈が立ちはだかっているからだ。

それが、2年前の春に開通した
「権兵衛トンネル」のおかげで、
かけもちが可能となった。

昔より伊那と木曽を結ぶ峠道で、
標高差が1000m近くある権兵衛峠(1523m)は、
狭く、カーブが多く、ガケ崩れもしばしば…。
この難所を全長4467mのトンネルで
木曽へとズバーッと一気に抜けてしまう。
それが権兵衛トンネルなのだ。


駒ヶ根でクラフトをみたら、木曽へ向かって出発!
スピッツのベスト盤をかけて、
ぐいぐいアクセル踏んで、
権兵衛トンネル目指して快走。
伊那や駒ケ根を擁する伊那谷は、開放的なイメージ。
北海道を思わせるような雄大さと、爽快感がある。
ボーカルの草野くんの声がよく似合う。


さて、権兵衛トンネル。
最近作られただけあって、やたらと広い。
日本の土木技術は大したものだ。

ものの5分で、木曽へ。
景観は、伊那とは印象を異にする。

木曽谷は狭い。そして山深い。

木曽は雨が多いことで知られる。
降れば水墨画のように、
谷間に雲がたなびく山峡。

木曽で漆器の生産が盛んなのも、湿度が高いから。
漆は一定の湿度がなければ乾かない
一般的な塗料とは逆の性質を持っている。


ぐるっと南信、工芸デイトリップ。
駒ヶ根→クラフトフェア
木曽→漆器祭
なるほど、地域的特性、気候風土を考えると
その理由がよくわかる。

川端康成よろしく、
トンネルは、しばしば2つの地域の違いを
趣深く見せてくれるものだ。


■ 2008/06/12 ■



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Illustration:Motoko Umeda
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